◇ 春のバスハイク紀行 ◇
 景色も、料理も、おしゃべりも最高!
《唐津城と白砂青松を望む 》
前原市 藤波武昭
「春のバスハイク」は6月6日に行なわれました。目的地の唐津シーサイドホテルへのコースとなる当日の糸島平野、浜玉地方は濃霧がかかっており、野山の新緑は乳白色に包まれていました。しかし日照りもなく雨も降らずのほど好いお天気でした。
唐津シーサイドホテルは「虹の松原」の“松の枝のトンネル”を通り過ぎた西の端にあります。この「虹の松原」は日本の三大松原のひとつに数えられ全長は東西約5キロ、幅は南北約1キロで黒松ばかりが約100万本植えられています。この松林は400年程前、唐津藩主が防風・防潮・防砂のために植えさせたと伝えられています。
私と楢崎さんは出発地の福岡病院と唐津シーサイドホテルの中間に住んでいますので、私の運転で一緒に自宅から直行しました。
ホテルに着くと、すでに兼尾栄子さんと山本光子さんが来てあり、暫くすると鶴田義光さんが息子さんの運転で来られました。車椅子を押してある息子さんは屈強な登山家を思わせる男振りでした。いつもは一人で来られていた鶴田さんは、今日は心強いだろうなと思いました。
待つこと30分程で大型バス2台が到着しました。うち一台はリフト付き、トイレ付きでした。両方のバスから、皆さんが笑顔で下車されました。秋重会長ら参加者30名(同伴者5名)、福岡病院から付き添われた松永先生と看護師さんの5名、酸素会社の帝人さんは6名のスタッフが来られ、総参加人数は41名でした。
福岡病院を出発して、福岡都市高速、西九州自動車道、202号線と海岸線の多い道路で、景色は好いし、車中の会話は楽しいし、道中の約1時間半はあっという間だったようです。霧はかかっていても糸島沿岸の姫島、羽島、唐津湾の高島(この島には、お参りすると宝くじがよく当たるといわれる宝当神社があります)、神集島あたりはよく見えたようです。
体調が心配されていました前会長の大隈さんはご夫妻で参加され、元気に皆さんと久し振りの会話を楽しんでありました。車で直行組の田中清光さん夫妻も到着されて全員揃いましたので、すぐにバスハイク恒例の集合写真を撮りました。ロビーの広場の階段を雛壇にして思い思いの所に腰掛けて並び“ハイ、チーズ” の掛け声に笑顔一杯で写りました。
写真撮影が終わり、一階に設けられた会場に入りました。大きな丸いテーブルが6卓あり、すでに料理の準備が出来ていました。
懇親会が始まる前に看護師さん、帝人さんが会員一人一人のボンベの設置位置や酸素の残量などをチェックしてくれていました。
山内副会長の司会により、秋重会長からの挨拶があり、ついで福岡病院の松永先生の音頭で乾杯し、懇親会に入りました。
私は、楢崎さん夫妻、吉田さん夫妻、村上さん兼尾さんと同席でした。今年は自分の名前を書いた大きな名札を首からぶら下げて、お互いに名前が分かるように役員の方々が工夫されていましたので、お話しする時に、より早く親しくなることができました。
会話はやはり病気に関する事が多かったのですが、中でもリハビリに関しては、足腰を弱らせないために万歩計を付けて7,000歩あるくことを心がけているとか、自転車で30分位は走るとかいろいろありました。
入浴については「カラスの水浴びだし、チューブが濡れるのもイヤだし、風呂に入る時は酸素は外しとる」という人には、周りから「入浴時は余計に酸素を必要とするけん酸素は吸いながら入浴したほうが良かバイ」と親しく方言まる出しで、アドバイスがあっておりました。
話が弾む中、ビンゴゲームがスタートしました。看護師さんが“ガラ、ガラ”と廻し、番号を読み上げてくれます。「あった、あった!」から「なかなか開かん!」と叫ぶ声があっちこっちからあがりました。藤本さんが最初に「ビンゴ!」と手を上げられ一等賞を獲得されました。私は運良く三等賞になり、缶入りのクッキーをいただきました。参加賞があり全員空クジ無しでした。
ビンゴゲームが終わった後は『カラオケタイム』になりました。山内さんの「誰か故郷を思わざる」を皮切りに、萩原さん、浅川さんと美人看護師さんのデュエット、藤本さん、帝人の中村所長と自慢の歌声をご披露されました。私も、「北国の春」を息を切らしながらも歌いました。
楽しかった懇親会の2時間はアッという間に過ぎてしまい、帰りの時間の14時50分までの50分間は自由時間となりました。
ロビーからプールのある中庭に出ると目の前は青い海原の玄界灘です。今日は風がなく海岸には波が穏やかに打ち寄せていました。目を左(西方)に転ずれば、海に突き出た岬の上に唐津城の天守閣が望まれ、霧のため少し霞んでいますが凛々しくそびえています。このお城は、天守閣を中心に西に西の松原、東に虹の松原があります。これを鶴の両翼に見立て、別名『舞鶴城』とも呼ばれています。私たちホットの会は東の翼の上で美味しい食事をいただいた事になります。皆さんは汀に出て写真を撮ったりして楽しそうでした。私は、お土産にホテルの売店で唐津名物の「松露饅頭」を買いました。
皆さんは、トイレを済ませ、看護師さんや帝人さんに酸素のチェックを受け、バスに乗り込まれました。15時丁度に二台のバスはスタートし帰路に着きました。途中で浜崎の海鮮売店『おさかな村』に立ち寄って新鮮な海産物のお土産を買い、16時30分には福岡病院に無事帰着したとのことでした。
私は、楢崎さんを福吉のご自宅まで送り届けたあと「深江」で『豊臣秀吉』がこの地でお茶会を開いた時に使ったと言われている湧き水『太閤の水』と呼ばれる糸島の名水を一缶汲んで帰りました。
今回も福岡病院の先生、看護師さん、そして帝人のスタッフの方々の暖かいご支援で、急性増悪も出ず、酸素切れなどの心配もなく一日が楽しめました事に感謝致します。
心配戴きました秋重会長さん、浅川担当幹事さんお疲れ様でした。
今回ご都合で参加できなかった会員の皆様、次回の秋のバスハイクの時にお会いできる事を楽しみにしております。
終り
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