◇ 鶴田義光 童謡-3 ◇
<村の大きな石>
村のはずれの道のそば
いつも静かに寝てるけど
ちから自慢のおじさんが
押してみたけど動かない
みんなが知ってる村の石
おとなの背丈の大石さ   
Photo:田中清光
       夏の太陽 へっちゃらさ
       秋はもみじ落ち葉で飾りつけ
       冬の木枯らし平気だよ
       春の桜がお気に入り
   退屈しないの動かずに
   道行く人を眺めてる
       恋人たちも待ち合わせ
       村のはずれの強い石 
       神さま宿る村の大石
<村の木の橋>
 村の大事な 木の橋は
 朱い欄干 目立つ橋
 朱色好きな 村長さん
 自分の好みで 塗ったとか
     村の大事な  木の橋は
     ボクらの夏の  飛び込み台
     清流めがけ  水しぶき
     勇気ためしの  水しぶき
  隣りの愛ちゃん  橋の上
  並んで渡る  お母さん
  欄干乗って  叱られて
  買い物かごを  持たされた
     橋の欄干  朱い色
     好みの色に  塗ったとか
  橋のたもとの  桜の木
  花びら散るころ  欄干は
  桜吹雪を  浴びている
  朱い欄干  桜色
     花嫁さんが  渡るとき
     村人たちが  お迎えさ
     綺麗きれいね  綺麗だわ
     ささやき合って  みな笑顔
     朱い欄干  目立つ橋
     好みの色に  塗ったとか
<村の大木>
村一番の 物知りは
村のはずれの 大木さ
何百年も 生きている
村のさまざま 見つめてる


青い葉っぱが 強い陽射しを
防いでくれて 涼しい日陰
母さんみたい 優しい木


村一番の 物知りは
村のはずれの 大木さ
村人たちの お祈りを
静かに聴いて そびえてる

Photo:田中清光
青い葉っぱが 雨かぜうけて
童が一人 雨宿りだよ
父さんみたい 強い木だ
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