◇ 鶴田義光 俳句 ◇ | |||||
会報誌の文芸欄の鶴田俳句からの選りすぐりです(楢崎) | |||||
1. 使い切るつもりの命リハビリへ | |||||
2. 皆様へ、疲れませんか病み叩き | |||||
3. 生きる夢、津波の如くやってくる | |||||
4. 死の恐れ、津波の如くやってくる | |||||
5. 窒息と呼びたいほどの息の切れ | |||||
6. 逝くことは覚悟の上と月仰ぐ | |||||
7. 鼻マスク22時間の救世主 | |||||
8. 低気圧お前も肺を攻めるのか | |||||
9. 呼吸筋萎えの復元闇の中 | |||||
10. 吸う息に肩の上下も極まりて | |||||
11. 酸欠に小水洩れの悔しさよ | |||||
12. 押し込んで食して保つ命の灯 | |||||
13. 澄む空に呼吸器外し人心地 | |||||
14. 息切れや溺れる夢の幾たびも | |||||
15. 復活へ強き意志のみ橋架ける | |||||
16. 死を見詰めサムライなりや彼岸花 | |||||
17. あなたは「地獄に菩薩」忘れません | |||||
18. 耐えに耐え耐えて耐え抜く息の切れ | |||||
19. どっこい黄泉(よみ)への移転は先送り | |||||
20. 死神が度胸試しを挑み来る | |||||
21. 恐ろしや苛烈な息切れ便秘どき | |||||
22. 寝たきりが両手広げて待っている | |||||
23. 絶え間なき呼吸困難予想外 | |||||
24. 鼻マスクビュウビュウ唸る命の風 | |||||
25. 病み侵攻防ぐ一線リハ頼み | |||||
26. 自らは矢張り命は絶てれない | |||||
27. 人工の風は無情や口渇き | |||||
28. かろうじて生きているから望み持つ | |||||
29. 旨いもの喰っていのちを再確認 | |||||
30. 痛恨の更新放棄くるま失く | |||||
31. 永年の車と別れ免許絶つ | |||||
32. 息切れを努めて忘れ誕生日 | |||||
33. 重症になるほど夢見頻繁に | |||||
34. 独り立ち出来ぬ呼吸や秋の虹 | |||||
35. 入浴を清拭に変える息切れ | |||||
36. 呼吸器を付けての食事誤嚥危ぐ | |||||
37. 信仰にすがれど呼吸荒らきまま | |||||
38. 歯の治療合い間に脱着鼻マスク | |||||
39. 自己呼吸息継ぐのみで精果てり | |||||
40. 自己呼吸一心不乱に息を継ぐ | |||||
41. 呼吸器に生かされてます飽きてます | |||||
42. 毎日の強制呼吸も疲れます | |||||
43. 息切れと付き合うように詠む川柳 | |||||
44. 迎えるか次の誕生日息せはし | |||||
45. 呼吸器のままに4キロ鉄アレイ | |||||
46. 老いはまだと天に呟き消えていく | |||||
47. 呼吸筋激しく鍛え夢を追う | |||||
48. 呼吸器を付けぬ散髪耐え難く | |||||
49. 六十六歳病んでも老いはまだ | |||||
50. 肺臓は負けても気概天を突く | |||||
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