平成17年度 福岡市呼吸器講演会 ◇(2005.11.25)
 「慢性呼吸不全と心の健康」
独立行政法人国立病院機構 福岡病院
心療内科医長 横田欽児先生
◇ 目 次 ◇
慢性呼吸不全の方の 心の問題
ストレスとそれに伴う症状・行動
ストレスになる考え方
ストレスの解消法
よりよく眠るために
光照射と睡眠の関係
うつ状態・うつ病について
一般にいわれているうつ病
うつ病、うつ状態とは
心の健康には適度の運動を
リハビリ入院
適度の運動
うつ病にもたらす運動の効果
生活習慣病の予防

 1.慢性呼吸不全の心の問題
福岡病院の心療内科の横田です。今日は「慢性呼吸不全と心の健康」という題でお話します。慢性呼吸不全の原因には、呼吸の量が減少する病気と、呼吸のスピードが低下する病気があります。呼吸量の減少には、手術によるものと、昔、結核をされた方の後遺症などがあります。呼吸のスピードの低下には、肺気腫などの閉塞性障害があります。このような病気が進んできますと、息苦しくなり酸素を吸うことが必要になります。
そして、このような病気をして、風邪をひくとか、心臓に負担の掛かるような病気をすると肺への負担が更にかかることになりますので、マスクを着用したり、手洗いを励行したりして、風邪の予防が大切になります。
それから、酸素をしっかり吸って心臓に影響を与えないようにすることも必要です。更に栄養をしっかり摂る事も大切です。栄養を摂りすぎると脂肪が溜まって良くありませんので、標準体重を考慮して栄養を摂る事が大切です。
さて、慢性呼吸不全の方の心の問題には、下表のような事が考えられます。
慢性呼吸不全の方の心の問題
 ◇ ストレス…不自由な体力、生活の不便、欲求不満、
  種々の問題を起こす根源、ストレス軽減の工夫
 ◇ 不眠…よい睡眠のために
 ◇ うつ病、うつ状態…頻度が高い、早期発見、
  早期治療、運動の効果
 ◇ 心の健康には適度の運動を
 ◇ 生活習慣病の予防
先頭に戻る

 ◇ ストレスと、それに伴う症状・行動 ◇ 
ストレスがあってイライラすると、ヤケ食いするとか、ヤケ酒を飲むとか、タバコをスパスパ吸うとかで生活習慣病になったり、心筋梗塞とか血圧が高くなったりする場合があります。それから、ストレスで思うようにいかないと気分が落ち込んだり、不安になったり、そわそわイライラしたりで、心身症や不安
障害(ノイローゼ)になることがあります。又こういう事のあと、眠れなくなり、うつ病になる事もあります。
動物実験でも、ストレスをかけると病気になり易いことがわかっています。ストレスがあると、症状や行動などに影響が出てきます。例えば動悸、息苦しい、顔が火照る、冷汗が出る、フラフラする、肩こり、頭痛、下痢、吐き気などの自立神経失調症の症状がでてきます。感情面では落ち着きがなくなって不安やイライラや落ち込むなどの症状が出ます。行動面ではよくしゃべるとか、怒りっぽくなるなどがあります。このようなことがありましたら、ストレスを受けているのではないかと検討してみることも大切です。
先頭に戻る

 ・ストレスになる考え方
ストレスはいろんな事で起こるわけですけど、気の持ち方、考え方、受け止め方でストレスを少し軽くすることが出来ます。こんな時にはストレスを受けやすいので気を付けようということを8項目ほどあげてみたいと思います。
1)いつも「〜であるべきだ」と考える考え方
その考えを自分にも相手にも強制すると世代間の対立になることもあります。私は若い人のシャツがズボンからはみ出しているのを見ると、だらしないと思いますが、若い人はそれが流行りだと思っている。ですから「若い人はそんなものだ」とか、「人それぞれ考え方も違うんだから」と割り切って、ある程度柔軟に考えることも大事ではないでしょうか。
2)「白」か「黒」かの考え方
白か、黒か、イエスか、ノーか、良いか、悪いか、どっちかにしてしまう考え方があると、ストレスになります。駄目だと言われたら、全部駄目だと思ってしまったり、良いと言われると全部良いと思ってしまうと良くありません。白っぽい灰色もあるし、黒っぽい灰色もあるという柔軟な考え方の方が、ストレスを起こさずに済むと思います。白黒思考の一つになりますが、嫌いと思ったらトコトン嫌いになるというタイプの方もあると思います。これだと、好きな人か嫌いな人かの二つにわかれてしまいます。人には良い面と、悪い面とがありますが、一箇所悪い所があると全部悪い人に見えてしまうようになると、自分の周辺が、自分側か、敵側かと非常に窮屈になるのではないかと思います。だから自分の方から声かけしてみて、相手の気持を聞くとかすることが大切なのではないかと思います。
3)完全でないと気が済まない(完璧主義)考え方
たとえば掃除をする場合、完璧でないといけない人。そうすると一つの部屋の掃除だけで疲れてしまいます。家全体の掃除を完璧にしようとしても、いつまでも終わりません。不完全でも後で修正するつもりでいいのです。
4)「言わなくても分かるだろう」と考える考え方
夫婦が長く一緒に生活していると、「言わなくても分かるだろう」と考えて何も言わないが、言われなければ分からない場合もあるわけです。食事でも、自分の好みは分かっているだろうと決めずに、こまめに自分の気持を相手に伝えることが大切です。和食が好きだということは言わなくてもわかってくれているだろう・・と思っていても、「和食が好き」と言った方が良いと思います。
言わないで洋食が続いて、怒った場合、怒りの表現の仕方は3通りくらいあります。
《怒りの表現の仕方》
(1)積立貯金、一気使用型
(我慢していて急に爆発する型です)
周りの人から見ると、本人が不満を何も言わないと、なんで急に怒り出したのか分かりません。訳の分からない近寄りがたい人に思われてしまいます。
(2)雰囲気表現型
怒りを爆発するのではなく、態度で表現するタイプ。「自分がこんなに我慢しているのがどうしてわからないのか!」と不満に思って、とげとげしい態度になり、周りの人には嫌な人間にしか思われません。
(3)身体表現型
怒りを言葉では表現しないのですが、身体症状として表現する。血圧が段々高くなるとか、脈が早くなるとかの現象が出ます。
「言わなくても分かっているだろう」というのではなく、分かっているかも知れないけど、気持をよく分かるように伝えるようにすることが大切だと思います。
先頭に戻る
5)自分は正しい、相手が悪いので、相手が変わるべきだと考える考え方
これでは上手く行きません。

自分を変えて、その結果相手も変わってくることになり、上手く行くことになります。
6)予定通りにならないと気がすまない
皆予定をたてて行動しているわけですが、予定外の事が起こり、予定通りに事が運ばないことがあります。そんな時、どうしていいか分からなくなります。予定外の事が起こったら、予定していたことを先に延ばすなど、状況の変化に応じて柔軟に対応することが大切ではないかと思います。
7)心配しても仕方のないことを心配してしまう
心配しても仕方のないことを心配してしまうのは、病気といえば病気です。それは疲れるだけでどうしょうもありません。心配や不安があっても、それはそれとして日常生活をキチンとやっていくことが大切です。このようなやり方を森田療法といい、日本独特の治療法です。やるべき日常生活はちゃんとやっていくことが、結局、心配をなくしていく事に繋がるわけです。
8)自分ひとりで生きていると思う考え方
自分ひとりで生きているのではなく、多くの人の支えや助け合いで人は生きているわけですから、助け合いの中で生きていこうという考え方が大切ではないかと思います。
内観療法というのがあります。自分が小さい頃両親からしてもらったことなど、振り返って考えるという療法です。お互い助け合って生きていこうという考え方が大切と思います。そうするとストレスの受け止め方が違ってくると思います。
先頭に戻る

・ストレスの解消法
1)運動をする
私はストレスの解消法として、運動することを勧めています。
皆さんは走ったりするのは難しいと思いますが、手軽に長続きする散歩などで、少しずつゆっくり歩くのがいいと思います。
2)発想を転換する
これはストレスにならない考え方の工夫でしょうが、発想を転換するということです。例えばコップ半分の水を見て「たったこれだけしかない」と考えるのか「まだこれだけ残っている」と考えるのかで、コップの水に対する考え方が違ってきます。「これだけのことしか出来ない」と考えるか「まだこれだけのことが出来る」と考えるかでストレスの受け取り方が違ってくると思います。
別の例ですが、自分には一体どれだけの時間が残されているんだろう、「もうこれだけしか残されていない・・」と焦るのと「まだこれだけあるじゃないか」と感謝するのでは、ストレスは違ってきます。
3)ストレスの発散
仲間を作っておしゃべりしたり、このような会に参加したりするのがいいんじゃないかと思います。お互いに話を聞く、相手の話の腰を折らないで聞く、又自分の話も良く聞いてもらう。このような仲間を作っていくことが大事ではないかと思います。
4)社会的支持基盤を作る
家族が非常に大事だと思いますが、その他お友達や近所の人達など普段からの接触があれば、何かあったとき助けになると思います。家族を中心に友達や近所の人、会社の人達などと付き合いをもつことも大事なことと思います。
先頭に戻る

◇ よりよく眠るために ◇
睡眠についての質問が相当出ていますので、睡眠についてお話します。
例えば、朝早く起きなければいけないとか、最近、寝ていないから今日はしっかり寝ようかと思って早く布団に入ったりします。睡眠の時間は寝床に入る時間によってはなかなか決まりません。睡眠を決めるのは朝の起きる時間だということが判っています。朝の明るい日の光を浴びること、それが夜の睡眠時間を決めるといわれています。
昼間眠くてだるいということが睡眠不足の一番の症状でして、昼間はチャンと起きていて頭はシャキッとしているというのであれば、睡眠時間は足りています。6時間寝なければいけないとか7時間寝なければいけないということはないわけです。
最近の睡眠薬ですが、害が少なくなってきました。昔、芥川龍之介はブロバリンを大量に飲んで自殺を図ったことがありますが、最近はよほどのことがないかぎり睡眠薬で自殺は出来ないようになっています。睡眠薬の害は少ないし、続ければ呆ける…などということはありません。
それから、アルコールを飲んで眠るということもありますが、アルコールは寝つきはいいんですけども、一旦目が覚めますとそれから寝つかれず不眠の原因になります。一旦は眠れるんですが、目が覚めると眠れないということで、少し飲むのはいいんですが、眠る為に飲むのなら睡眠薬の方がいいということになります。
先頭に戻る

・光照射と睡眠の関係
睡眠時間の決まり方ですが、朝、日の光を浴びてから15時間くらい後に眠くなるわけです。光を浴びて15時間後になると、睡眠のパターンに入りまして、体温が下がり、脳波が睡眠のパターンになります、そして6時間か7時間寝て目覚めます。眠くなる時間というのは朝の日の光を浴びる時刻によって決まるわけです。寝床に入った時刻が決めるのではありません。ところで朝の光を浴びたら、その日すぐに、それから15時間後に眠くなるかというと必ずしもそうではなくて、日数がかかります。アメリカなどに飛行機で行くと時差がありますが、それが直るためには一週間位かかる人もいます。それでも向こうの時間に合わせた生活をしていると、時差は早く解消します。朝の日の光を浴びるのが大事なんです。
朝の光を浴びながら散歩をするとか、庭いじりをするとかで目覚めていれば、睡眠のパターンが出来てきて、15時間後には睡眠に入れることになります。これが睡眠の治療としては根本的に好ましいものです。睡眠について纏めますと次のようになります。
1.睡眠時間にこだわらない。眠たくなって床につく
睡眠は、5時間とか6時間とか時間にこだわらなくていいわけです。眠くなって床に入ることが大切です。
2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
寝る前にテレビゲームなど非常に面白いものに熱中していると、頭が冴えて眠れないことがあります。眠る前は風呂に入るとかゆったりすることが大切です。
3.同じ時刻に毎日起床。規則正しい食事と運動の習慣
朝、起きる事が大事です。眠る15時間前に朝の日の光を浴びるわけですから、朝の光が射す少し前に起きて、日の光を浴びる。そして毎朝同じ時間に起きるようにして、規則正しい食事や運動の習慣をつけることも大切です。
4.光の利用でよい睡眠を
朝の日の光をしっかり浴びて、良い睡眠を。
5.昼寝をするなら15時前に20〜30分
睡眠物質が溜まると眠くなると言われていますが、夕方眠りますと睡眠物質が少なくなります。昼寝するなら早い時間に寝るようにしましょう。
6.眠りが浅いときはむしろ積極的に遅寝・早起き    
特に早起きを。
7.睡眠中の激しいいびき、足のピクツキ、
  むずむず感に注意
激しいいびき、呼吸停止は睡眠時無呼吸症候群といわれていますが、これは、眠っている時に、舌根が喉の奥に詰まりそうになり呼吸が出来ない病気です。それから足がむずむずしてだるくよく眠れないという病気があり、そのままの名が付いたむずむず脚症候群という病気で、治療の必要があります。
8.十分に眠っても日中の眠気が強い時には専門医に
       診察の必要あり。
9.睡眠薬の代わりの飲酒は不眠のもと
アルコールは睡眠が浅く、一旦目が覚めると眠れないことがあります。飲み過ぎるのは避けるべきです。
10.睡眠薬は医師の指示のもとで正しく使えば安全
睡眠薬は上手く使えば良いと思います。コーヒーや紅茶、お茶はカフェインが入っています。コーラもドリンク剤もカフェインが入っています。
これらを朝起きて飲むのはいいんですが、寝る前に飲むのは睡眠に障害になることがあります。
眠れない時はぬるめのお湯にユックリつかりましょう。お酒を睡眠薬と一緒に飲むのは、薬の作用が増強するのでお勧めできません。
先頭に戻る

◇ うつ状態・うつ病について ◇
こんなとき、うつ病?
1.憂鬱な気分の出現・・
気持が落ち込む、わびしい、もの悲しい気分です、誰でも恐い病気の話を聞けば憂鬱になると思います。それでも何日か日数が経てば薄れてくるんですが、薄れること無くそれが一日中、かつ二週間以上続くようですと、うつ病を心配しなければいけないと思います。
2.何をしても楽しくない・・
前はテレビをよく見ていたのにテレビも見たくないとか、むかしはゴルフに行っていたのに、ゴルフにも行きたくない。街に出る気にもならない、何をしても楽しくないというようになればうつ病の心配をする必要があります。
3.不眠の出現。早朝に目覚めて不眠・・
寝つきも悪いんですが、3時や4時くらいになると目が覚めて眠れない。寝床からさっと出るのであればいいのですが、気分が悪くて寝床から出られないというのはうつの症状によくあります。
4.食欲低下・・
ご飯も食べられなくなるという食欲不振、美味しくない、しかし食べなければいけないと言われるので無理矢理食べるのだけれども痩せる。
5.意欲・集中力の低下・・
自分は呆けたとか、頭が働かないようになったと感じ、やる気をなくします。仕事も続きません。仕事をしなければと思っても、する気がしません。
6.興味の喪失・・
楽しくない。興味が湧かない。サラリーマン・シンドロームというのがありますが、新聞を読む気にならない。サラリーマンは朝起きたら新聞を読みますが、新聞を見る気がしないのは要注意といえます。
7.性欲の低下・・異性に対して、全く興味が湧かない。
先頭に戻る

・一般にいわれているうつ病
引越しうつ病・・

引越ししてうつ病になる。40代や50代になっての引越しや、新しく家を建てて引越しする。その事でうつ病になる。
空の巣症候群・・
子供を一生懸命育ててきて、その子が就職して、親の役割が終わったということでなる、うつの症候群。
燃え尽き症候群・・
一生懸命に取り組んだ事が終わって燃え尽きて潰れてしまう症候群。
○○ノイローゼ・・
例えば育児ノイローゼ等。ノイローゼというのは神経症なんですが、ノイローゼと言われる人は大体うつ病なんです。
その他、スライドのようなさまざまなうつ病があります。
先頭に戻る

・うつ病、うつ状態とは
頭が過労のためにオーバーヒートを起こした状態でして、例えば、自動車をバンバン使いすぎるとエンジンがオーバーヒートしますが、脳がそのような状態になっていると考えて頂くといいかと思います。不眠なのに早朝覚醒する、気分の落ち込み、淋しい、憂鬱、何もしたくない、面白く感じない、自信喪失、申し訳ない、疲労、食欲低下、不安、イライラ、朝方気分が悪く夕方には少し回復する、頭の休養と抗うつ剤で改善する、このような症状がうつ病です。
うつ病の治療
1.早期発見、早期治療(つらい不眠が手がかりです)
2.休養(頑張らないこと、励まさない事)、環境調整
3.薬物治療(坑うつ薬、睡眠薬で軽快)
以上の3本柱がうつ病治療の方法です。
日本は自殺者が増えてきています。特に景気が悪くなった為に増えています。それから、世を悲観してとか、このまま生きていても仕方がないとか、一人住まいの孤独とかで高齢者の自殺が増加しているようです。
これは病気と考えて、薬を飲むなどで気を明るく持つようにすることも大切です。
先頭に戻る

◇ 心の健康には適度の運動を ◇
運動をする事が精神疾患の方には大事だというデータがあります。これはアメリカの15歳から54歳の8千人を対象にしたデータですが、運動をしている人としていない人を比較したものです。
体をよく動かしている人は、動かしていない人に比べて精神疾患は少ないのです。パニック発作も同様です。人前に出たら恐ろしくて話が出来ない社会恐怖症や、電車やバスなどの乗り物に乗ったり映画館に入ったりするのが恐ろしいという空間恐怖症も、運動している人には少ない。運動している人は心の健康が良いといわれています。
先頭に戻る

リハビリ入院
呼吸不全の患者さんにリハビリのため運動してもらって、それで呼吸機能を改善して元気になるということで一ヶ月くらいリハビリしてもらいました。その時にうつ気分について調べさせていただきました。
始める前に「うつ」の質問表に答えてもらい、3週間のリハビリ後に答えてもらった内容を見ますと、うつ気分の点数が減って全体的には、はるかに元気になられています。
活力(どれくらい元気かということ)についても調べていますが、リハビリ後は活力が上がってきて、だるいなどの倦怠感も、少なくなっています。ですから呼吸不全で息苦しいということもあるでしょうが、運動すると体力の回復になるだけでなく、精神的にも大変いいと思います。
《うつの変化》 《活力の変化》
先頭に戻る

・適度の運動
具体的に、運動は週4日以上、日に1時間以上身体を動かしましょう。それから筋肉をつける運動、例えば、腕立て伏せをするなどよりも、身体を動かす運動が良いのです。身体を軽く動かす、にこにこ笑いながら話しながら出来るような運動をしましょう。年をとると膝を痛めますので、靴底の柔らかい膝を痛めない靴を履くのがいいと思います。

・うつ病に及ぼす運動の効果
運動の効果をあげた世界中のいろいろな文献を集めましてうつ病に及ぼす運動の効果をまとめたものがあります。
薬もうつの病気を改善しますが運動も改善するわけです。運動は健康な方にも病気の方にも有効です。運動の種類は何でもいいといわれています。運動の継続は長い方が良く、患者はうつ症状が軽くなっています。
うつのひどい人は、運動をする元気もない状態かと思いますが、それでも出来る程度の軽い運動をするといいでしょう。うつ病の患者さんを、薬で治療、運動で治療、両方で治療のそれぞれ4ヶ月間治療した結果を比較しますと、初めは薬で治療した場合が早くよくなるんですが、4ヶ月経った頃では薬も運動も変わりはありません。
それから治療を終了して、再発したかどうかですが、薬を止めると再発する場合があります。運動の場合は運動を持続していれば再発は少ないです。
先頭に戻る

◇ 生活習慣病の予防 ◇
生活の不摂生がありますと、生活習慣病になりやすくなります。睡眠不足、食べすぎ、運動不足、タバコ、飲酒などは、糖尿病になったり、肥満になったり、高血圧、高脂血症、脳卒中、心筋梗塞など生活習慣病といわれる病気の大きな原因になります。
生活習慣病を防ぐには、充分な睡眠をとる。適度な運動をする。ストレスを発散し人とよく話し合って楽しく生活する。規則正しく、昼夜ハッキリした生活をする。食事療法、運動療法をしてストレスにならないようにする。飲まなければいけない薬はキチンと飲む。友達を作って楽しく生活をしょう!ということです。
ご静聴ありがとうございました。
福岡市南区保健福祉センター健康課健康づくり係の皆様、呼吸器講演会ではお世話になり、有難うございました。
また、講演のテープ起こしをボランティアでご協力いただきました宗像市の岩井様、誠に有難うございました。
「ホットの会」のTOPページへ 先頭に戻る 「医療講演集」目次へ